灰毛の定め

MTGについての駄文を残していきます。

【パイオニアヴァンガード戦】福袋杯の時間だあああああああ!②

お疲れさまです。
それではパイオニアヴァンガード戦について考察を行っていきましょう。
とはいえ、パイオニアのメタゲーム自体は有難いことにネットをちょと検索すれば出てくる世の中です。

そこでいくら調べても使用感がろくに出てこない、ヴァンガードの方に注目してみましょう。
今回は半分の16種について、考察をまとめてみました。

 

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Ashnod 手札+1/ライフ-8
能力は4マナのエンチャントである《無慈悲》と同じ。対生物戦においては強固な抑止力となる。
一方で-8のライフ補正子があるため、本体火力やドレインには弱い。
神などの破壊不能持ちや、《弧光のフェニックス》のような蘇生能力持ちにも効果が薄いので過信は禁物。
そのため壁や除去を併用して、どの生物を通すかというボードコントロールが重要となる。
ライフ回復しながら盤面を整えられる《メレティス誕生》や《黄昏の享楽》などが好相性。

 

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Barrin 手札+0/ライフ+6
パーマネントを生贄に捧げることで《送還》が撃てる。
ボードアドバンテージは失っていくとはいえ、マナの不要な妨害は強力。
ビートダウンデッキではブロッカーを排除しての押し込み性能が高い。余った土地を投げ捨てテンポよくライフを刈り取れる。
自分の生物を使いまわしても面白い。青信心が十分であれば《波使い》は自身も守れるバウンス装置として運用できる。
同様な起動コストを持つ他のヴァンガードにも言えることだが、あらゆるものをマナを使用せずに生贄にできるのでサクリ台として見ても優秀。

 

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Crovax 手札+2/ライフ+0
自軍のクリーチャーがダメージを与えるたびライフを1点回復する能力。つまり回復量が1点固定の魂の絆能力の付与である。
能力は微々たるものだが、手札補正子+2なのは嬉しい。今回使用できるヴァンガードの中で手札補正子が+2以上でライフ補正子が-でないのはCrovaxだけである。
能力まで最大に活かすのであれば、《テューンの大天使》のようなライフ回復イベントを能力のトリガーとするカードが相性が良いだろう。
能力は無いものとして割り切り、サイド後特定の相手に《安らかなる眠り》や《神聖の力線》のような強力な対策カードを引き込む手段として使用することも考えられる。

 

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Eladamri 手札-1/ライフ+15
自軍のクリーチャーへのダメージを自身に移し変える起動型能力を持つ。
+15のライフ補正子もあり、クリーチャーがダメージで落とされることはほぼ無くなるだろう。
その性質から対赤としての性能は高い。サイド後向けのヴァンガードと言える。
能動的に使うなら《無謀な怒り》や格闘系除去と組み合わて、自軍クリーチャーへの損害を無くすといったこともできる。
変わり種としては《ゴブリンのドカーン物取扱者》を自壊から守ることが出来るようになる。面白いね。

 

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Ertai 手札-1/ライフ+4
常在型能力で、自軍のクリーチャーに呪禁を付与する。
能力は噛み合えば必殺、嚙み合わなければ何の効果も無いといった性能である。
早期に出て、生き残れば強力なシステムクリーチャーと組み合わせたい。《水蓮のコブラ》や《若き紅蓮術士》が候補か。
全体除去を回避できる速攻や瞬速持ちのクリーチャーとも相性が良い。《幽霊議員オブゼダート》のようなフィニッシャーをより強固にするのも悪くない。
除去コントロール側はこのヴァンガードを意識して、サイド後布告や全体除去の比重を増すことが考えられる。存在そのものが抑止力なため、使用するタイミングは考えたい。

 

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Gerrard 手札-4/ライフ+0
ドローステップ開始時に通常のドローに加えて1枚ドローする能力を持つ。
直接的にカードアドバンテージを得られる代わりに手札補正子が-4と重いペナルティを背負う。
初期手札3枚では土地を絞っているデッキでなくとも初手に土地を引けない可能性がある。マリガンの可能性を考慮するなら後手を選びたい。
もっとも手札上限も減るため引いた手札を貯め込むには工夫が必要、後手マリガンなし土地置いてターン終わりなら1枚ディスカードするはめになる。《聖遺の塔》がベストパートナー。
手札を捨てやすくなると考えて、マッドネスと組み合わせるのは有効かもしれない。吸血鬼デッキなら使用候補になりえるか。

 

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Gix 手札-2/ライフ+18
3マナの起動型能力で《死者再生》。ライフ補正子も最大の+18であり、長期戦向けのヴァンガードである。
マナこそかかるが能力は悪くない。2回も起動すれば初手の手札差を補填することができる。
PIG持ちを使いまわしてもいいし、サイクリングしたクリーチャーを回収するのに使うのもいいだろう。
マナさえあれば《死の飢えのタイタン、クロクサ》を連打するというのも考えられる。さながら令和の《ボガーダンの鎚》である。
弱点としては墓地対策されると無力なこと。また、起動コストも重めなので、マナを伸ばせないと本領が発揮できない。

 

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Greven il-Vec 手札-1/ライフ+2
自軍のクリーチャーにバジリスク能力を付与する常在型能力。
クリーチャー同士の戦闘において相手のタフネスを無視して破壊できるようになる。
戦闘ダメージに限定されることもないため、いわゆるティム能力と組み合わせると除去し放題である。
《ゴブリンの鎖回し》との組み合わせは凶悪。プロテクション(赤)か破壊不能でもない限り盤面が壊滅する。
トークン戦術との相性も良い。小型のトークンですら攻防に優れた存在になりえる。
弱点はクリーチャーを用いないデッキには何の効果も発揮しないこと。また、Eladamriと対面するとほぼ無力化されてしまう。

 

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Hanna 手札+1/ライフ-5
呪文のマナが1マナ安くなるという汎用性の高い強力な能力を持つ。
基本的にどんなデッキとも噛み合う。《稲妻の一撃》が《稲妻》に、《取り消し》が《対抗呪文》になるので下環境好きもにっこり。
ただし緑単信心や《ニヴ=ミゼット再誕》デッキのような構築によっては恩恵が薄いデッキもあるにはある。ライフ-5のペナルティも軽くはないので、思考停止で使用するのはオススメしない。
おそらくロータスコンボで使うのが最強だが、同じくHannaを使用したアグロやバーンには差し切られる可能性がある。
デッキ相性差を覆しかねない所謂ジョーカーなので、ここぞという時に使いたい。

 

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Karn 手札+1/ライフ+6
影響が自身に限られた《機械の行進》。
今回のルールではかなり割を食っており、専用の構築にしなければ弱いが1回しか使えないので構築を専用化したくないという板挟み。
カードプールに相性のいいカードも少なく、辛うじて《復元》で大型アーティファクト吊って殴るという選択ができる程度。
それでも無理やり使うなら《無慈悲な略奪者》と《ズーラポートの殺し屋》のコンボだろうか。
ちなみにこのコンボ、スタックで《ズーラポートの殺し屋》だけが除去されると選択肢の無い無限ループで引き分けとなるので注意が必要である。

 

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Lyna 手札+2/ライフ-4
自軍クリーチャーにシャドーを付与する能力を持つ。
パイオニアではシャドーはブロックされないと同義である。《不吉な首領、トヴォラー》のようなサボタージュ能力持ちとの相性は良い。
《ゴブリンの熟練扇動者》のような回避能力はないが打点は高いクリーチャーと組み合わせるのも良い。逆に飛行やトランプル持ちには恩恵は薄い。
忘れがちだがシャドーはシャドーしかブロックできない。相手の方がクロックが速いなら逆効果である。
Lynaミラーになるとお互いに能力の意味が無くなるので普通のパイオニアが始まる。

 

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Maraxus 手札+1/ライフ+2
自軍のクリーチャーに+1/+0修正を与える。
アグロ戦略を強化するヴァンガードの一つだが、効果はやや控え目。その代わり手札もライフも+というのがメリット。
どうせならパワーが大きくなることを活かしたい。例えば《戦慄衆の秘儀術師》は墓地から唱えられる呪文の幅が増える。
《原初の飢え、ガルタ》や《グレートヘンジ》の着地の助けにもなる。もちろんトークン戦略への恩恵も大きい。
デメリットが存在しないので、クセがなく使いやすいヴァンガードである。

 

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Mirri 手札+0/ライフ+5
基本土地から望む色のマナが出るようになるヴァンガード。
パイオニアは2色フェッチが禁止であるため、《寓話の小道》を採用するようなデッキからは声がかかるかもしれない。
もっとも2色土地は割と豊富であり、1回こっきりのために基本土地の比重を増やすわけにもいかないのでそこまで使われることは無いだろう。
しいて挙げるなら、根本原理サイクルのような相方はいる。とはいえ、Mirriの能力は保険程度に考えて、ちゃんと通常のマナ基盤から撃てるように構築した方が良い。
某漫画の主人公の如く、森から青マナ引き出してカウンターを撃つこともできるが、今回のルールだと一発芸。

 

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Mishra 手札+0/ライフ-3
自軍のクリーチャーの与えるダメージが倍になる。
殺意の塊のような効果であり、あっという間に人が死ぬ。
1ターン目に置いた《サバンナ・ライオン》系生物だけが生き残る展開でも6ターン目にはゲームが終わる。
打点だけを見るなら二段攻撃持ちと組み合わせたい。《威名の英雄》に《テイガムの一撃》でブロックされない20点である。
戦闘ダメージ以外も倍なので《熱錬金術師》や《どぶ潜み》とも相性がいい。
相手が-のライフ補正子のヴァンガードを使っていれば尚更効く。一部の強力なヴァンガードへの対抗策となるだろう。

 

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Multani 手札-3/ライフ-2
手札の枚数だけパワー修正を自軍全体に与える能力を持つ。
もちろん調整あってのことなのだろうが、カードアドバンテージを稼がない能力なのに手札補正子-3がかなり痛い。
能力的にクリーチャーを並べて強化したいが、並べるのに手札を使うと強化値が下がるというジレンマ。
《エルフの幻想家》などのCIPドロー付き生物や、履修付きカードで何とか手札を減らさずに戦いたい。
手札を3枚程度保持できるなら強化値は決して悪くない。《群れ率いの人狼》とのシナジーには光るものがある。

 

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Oracle 手札+1/ライフ+9
自軍の攻撃クリーチャーをアンタップし戦闘から取り除く起動型能力を持つ。
攻撃宣言に損が無くなるので、基本的に総攻撃し得になる。損するようなブロックをされたらそこだけ潔く帰ればいい。
もちろんそれを逆手に取ってコンバットトリックを撃ち込んでもいい。英雄的デッキやボロスフェザーなどのお家芸である。
アンタップすることに着目して督励持ちと組み合わせる手もある。《栄光をもたらすもの》は除去できる範囲も広くクロックも速い。
ルールの変遷により、戦闘ダメージ・ステップか戦闘終了ステップに能力を起動することで、実質的に警戒のような挙動をするようになっている。

 

現代マジックでは見ないような能力から、今も使われるシンプルな能力まで多岐にわたってますね。サンプルデッキは………とりあえず全ヴァンガード紹介してからにします。

では、また近いうちにお会いしましょう。