灰毛の定め

MTGについての駄文を残していきます。

【部族モダン】幻の部族モダン調整記

お久しぶりです。(小声)
半年ぶりぐらいの更新となってしまい、月日の流れの早さに戦々恐々としております。
この半年の私ですが、幸運なことに流行り病に罹ることもなく、ウマ娘を愛でたり、オンラインセッション漬けの日々を送ったり、身内大会用にポケモン育てたりとそれなりに充実した生活を送らせて頂いております。まあつまりブログ更新していなかったのは気が向かなかっただけだという。
あ、もちろんMTGはずっと触れておりました。モダンホライゾン2、フォーゴトン・レルム探訪が発売され、私のメインフォーマットであるモダンにも大きな環境のうねりがあり、振り落とされぬよう必死にしがみ付く日々であります。

さて、話は変わりまして6月某日、お世話になっている先輩から「部族モダンがやりたい」とのお話を伺いまして、そこで半年ぶりに身内大会を開催を開催する運びとなりました。

今回から何回かに分けて、部族モダンの環境考察と調整録を残していきたいと思います。

 

1.部族モダンとは?

部族モダンは、モダンのカードプールをベースに、縛りを加えてデッキ構築を行うフォーマットです。今回は部族のみたらし。様主催で行われております《部族で楽しむみたらし杯》でのルールを基に、以下のように構築ルールを設定させて頂きました。

・メインデッキの3割以上(60枚デッキなら18枚以上)を共通したクリーチャー・タイプを持つカードで構築を行うこと(ただし、両面、合体カードは表裏を統一したクリーチャー・タイプを持つものとする)

・キーワード能力「多相」を持っていても、上述の制限の中では『多相の戦士』としてクリーチャー・タイプをカウントすること

・禁止カードは現在のモダンで制定されているものに準拠すること(追加禁止カードは無し)

 

2.この部族が熱い!

ここから考えられるのは、今現在モダンにおいて、メタゲーム内に存在するような部族デッキは概ね制限なくそのまま使用できるということです。

これに当てはまるのが、『エレメンタル』デッキです。

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『エレメンタル』はモダンホライゾン2で大きく強化された部族です。
強力な妨害能力を持つ想起ピッチサイクルを《発現する浅瀬》と組み合わせてアドバンテージ補填しながら戦う多色のミッドレンジデッキになります。
《創造の座、オムナス》はスタンダードで禁止された程のパワーカードで、フェッチランドや《発現する浅瀬》との相性は目を見張るものがあります。伝説ながら4枚採用されることが基本で、手札でダブついても《孤独》や《激情》のコストに充てられるため無駄がありません。
フリースロットも多く、《レンと6番》や《時を解す者、テフェリー》のような強力なPWを採用する構成、《尊い存在》で能力の使いまわしを狙う構成、《雷族の呼び覚まし》と《稲妻の骨精霊》のコンボを搭載する構成など、使い手に合わせて多彩にチューンナップできるのが魅力と言えるでしょう。
弱点は多色化特有のマナベースです。《血染めの月》を展開前に置くことが出来れば、優勢に試合を運ぶことが出来るでしょう。《倦怠の宝珠》系のカードも有効ですが、想起で唱えられたカードが生贄に捧げられることも無くなる点には注意しましょう。

 

3.風よりも速く殴れ

次は、部族デッキを組む利点に注目してみましょう。
クリーチャー・タイプを統一することで得られるメリットとは、もちろんそのクリーチャー・タイプを参照する効果の価値がより高まるということです。
その中でも、特定のクリーチャー・タイプのサイズを強化する、いわゆるロードと呼ばれるクリーチャーは、複数並べれば並べるほどお互いを強化し合い、圧巻のクロックを見せつけます。
『マーフォーク』デッキは正に、その代表例と言っても過言でないでしょう。

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アトランティスの王》、《真珠三叉矛の達人》の2種8枚の2マナロードに加え、3マナ域の追加のロード《メロウの騎兵》、手札を減らさず展開を行う《銀エラの達人》と、マーフォークを参照する強力な面子が揃っています。
また、このデッキもモダンホライゾン2にて強化されており、殴れる《広がりゆく海》こと《激浪の形成師》、標準以上のサイズに除去耐性とドロー能力まで付いてる《海と空のシヴィエルン》はもはや外せないでしょう。
ソーサリータイミングの全体除去に対しては、《否定の力》で打ち消したり、除去の効かない《変わり谷》という回答があるのもまた強みの一つです。

 

4.メタゲームを追って

ここまで紹介したデッキから見てわかる通り、部族モダンはその性質上盤面を重視した、高速~中速デッキが組みやすいということです。
部族スロットがある以上、例えば少数のフィニッシャーに頼る重コントロールのようなデッキの成立は難しいでしょう。強力なカードの寄せ集めであるジャンク系デッキやサーチ、ドローにスロットを割く必要がある呪文系コンボデッキも難しいと思われます。
そのため、メインから全体除去が取れて、早いターンに必殺のコンボがある、そんなデッキが有利ではないかと考えました。
そこで私が注目したの『死せる生』デッキです。

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《死せる生》は盤面と墓地の生物を入れ替える呪文です。モダンにおいては、サイクリングを繰り返して墓地に生物を溜め、3マナの続唱持ちから《死せる生》を唱える、という動きを行います。この動きは全体除去とクロックの展開を兼ねており、墓地から吊ったクリーチャーで1~2ターン以内に決着をつけることを目指します。
では、このデッキは部族モダンにおいて成立するのでしょうか。もちろん、現行のメタゲームで使われているクリーチャーをそのまま採用することはできません。しかし、このデッキでは多少質は落ちたとしても、低コストのサイクリング持ちなら動きの代替を行うことが出来ます。
そうして、組み上げたデッキがこちらになります。

 

メインデッキ
4《断片なき工作員
4《よろけ腐り獣》
4《悲嘆》
4《通りの悪霊》
3《熱情》
4《砂漠セロドン》
2《谷のラネット》
4《峠のラネット》
4《タイタノス・レックス》

3《死せる生》
4《暴力的な突発》

2《霧深い雨林》
3《血染めのぬかるみ》
2《新緑の地下墓地》
3《樹木茂る山麓
1《湿った墓》
1《蒸気孔》
1《繁殖池》
1《血の墓所
1《草むした墓》
1《踏み鳴らされる地》
1《島》
1《沼》
1《山》
1《森》

サイドボード
4《神秘の論争》
4《フェアリーの忌み者》
4《基盤砕き》
3《活性の力》

 

指定部族は『ビースト』とし、1マナサイクリングとして《よろけ腐り獣》、《砂漠セロドン》、2マナサイクリングとして、《谷のラネット》《峠のラネット》《タイタノス・レックス》を採用しました。

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回してみた所感ですが、想定通り、《死せる生》で相手の展開した生物を流す動きは強力でした。一方、サイド後は対応されることも多く、良くも悪くもわかっていれば対応可能なレベルかなと思いました。